SCENE 4 | バー“ムーニン” |
| 現在。日本。横浜近郊にあるバー“ムーニン”。
突然、クラッカーが鳴り響く。 |
全員 | 灯里ちゃん!誕生日おめでとう。
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| 人の歓声が響き、賑やかである。灯里の親友の鳴美、バーのマスター、常連客の森村と田淵らがいる。
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灯里 | (驚いて)え?どういう事?
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鳴美 | (少し嘲るように)何言ってんの。自分の誕生日忘れてんの?記憶力ある?
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灯里 | え?嘘?嬉しい。鳴美〜。(鳴美に抱き着こうとする)
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マスター | 灯里ちゃん。おめでとう!
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灯里 | マスター。
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マスター | (せき払い)みなさん、ご存じのように、本日をもちまして、我が、ムーニンの看板娘、灯里ちゃんは22才になりました。彼女がここで働いてくれるようになったのは・・・。
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鳴美 | ここが地下で暗いからよ!
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全員 | (どっと笑う)
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鳴美 | オープンカフェなんかでバイトできないもんね。
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灯里 | 鳴美。
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森村 | そんなにひどいの?
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鳴美 | あたし、見た事あるの。すごいわよ。滝のようにバーっと。
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灯里 | ちょっと。
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鳴美 | 光を見ると、ほとんど、条件反射よ。
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田淵 | それじゃ、今日は、灯里ちゃんの涙で割ってもらおうかな。
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鳴美 | あたしもすごいよ。梅干しを見るでしょ。そうすると、もうつばが滝のよう。どう?あたしのつばでわる?
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田淵 | 結構。
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マスター | わたしもあるな、そういうの。消毒薬の匂いを嗅ぐと、背筋が寒くなるんだ。きっと、小さい頃、注射された事を思い出すんだね。・・・
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鳴美 | あ、それなら、私も、聴くと無性に悲しくなる曲があるわぁ。
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マスター | いやいや、それなら、わたしだって・・・
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灯里 | マスター!
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マスター | おっと、ごめん。えー、とにかく灯里ちゃんがここで働くようになって、早くも3年が経とうとしています。
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森村 | よっ、3年。
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田淵 | や、森村さん。それ意味わかんないから。
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| 森村、とりあえず、拍手をする。田淵、意味が分からないので顔をしかめる。
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マスター | その間いろいろな事がありました。そうあれは、1年目の事・・・
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鳴美 | マスター!もういいから。
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マスター | そ、そう・・・。
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灯里 | わたし、そんなに働いてる?
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鳴美 | 働いてるわよ。あたしより長いんだもん。
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灯里 | そっかー。3年か。
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鳴美 | んで、彼と別れて1年。
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森村 | え?なになに?彼と?
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鳴美 | 森村ちゃん。ちょっと、あっち(行って)。
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森村 | えー。
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鳴美 | 来るかしら今日?
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灯里 | そりゃ、来るんじゃない?
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森村 | どうして?
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マスター | そりゃ、彼、ここのスタッフだもんね。
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鳴美 | マスター!
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森村 | え?誰だ?どいつだ?スタッフ。お前か?田淵。
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田淵 | 俺は客だろ?
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鳴美 | ちょっと、移ろうか。(場所を移動する)
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マスター | 灯里ちゃん。ごめんねぇ。
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灯里 | いいのよ。
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鳴美 | (移動先で落ち着いて)でさ、灯里・・・
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森村 | (追って来て)そっかぁ。その病気のせいで、別れたのか??
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灯里 | ちょっと、そんな事言ってないじゃない!(小声で鳴美に)何時から飲んでるのよ。
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鳴美 | ええ、覚えてない。
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森村 | 病気のせいかい?ひどいねぇ。
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マスター | 間違いない。病気のせいですよ。
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鳴美 | マスター!
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灯里 | ちがう・・・わよ。
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| そこに、遅れて一人のスタッフが駆け込んで来る。一昭である。まわりの様子を見て。
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一昭 | あ!そうか、灯里、誕生日だったな。
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鳴美 | ご登場!どうする?隠れる?
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灯里 | 隠れてどうする。いいの。もう別れて半年だし。
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鳴美 | 1年よ。
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灯里 | え?そう?
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| 周囲に響く馬鹿騒ぎの中で、一昭と決定的な別れにいたった際の会話が灯里の耳に蘇る。
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一昭 | 俺はお前の事は好きだ、けど、君の病気についての認識が甘かった事は認める。俺は、もう、君の涙を見守ってやることができないんだ。俺みたいなずさんな人間には、きっと君を守ることなんて始めからできなかったんだと反省してるよ。中途半端な気持ちじゃ、かえって、君にも迷惑をかけるし。
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一昭 | 灯里。おめでとう。
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鳴美 | 忘れてたくせに。
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一昭 | 忘れないよ。忘れたふりをしてただけ。
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鳴美 | うそ。
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一昭 | これ。プレゼント。
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灯里 | 一昭。
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一昭 | ほらね。じゃ、俺、あっちで飲んでるから。話しあったら、いつでも来いな。
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| 一昭、遠ざかり、マスターらとしゃべっている様子。
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鳴美 | かー。やな感じー。お互い納得した別れたんだから、後腐れはないはず。大人だから別れた後も良い関係でいられるはず、みたいな。そういう意味ね、それ。
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灯里 | そう?
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鳴美 | 包装紙にそう書いてあるわよ。きっと、ちっちゃい字で。
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灯里 | あ、○○だ。
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鳴美 | つまらない物。
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| 再び、別れのシーンが甦る。自分の言葉が響く。
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灯里 | 分かった。私も思った。私の病気が、私を不幸にすることは我慢できる。でも、二人の関係が不幸になって、それで一昭が、不幸になっていくのは、二重の不幸よね。いままで、ありがとう。
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鳴美 | 勝手な男だな。(と吐き捨てる)
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灯里 | ねえ、それより、さっきの話だけど、
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鳴美 | え?なに?
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灯里 | わたし鳴美より、長く働いてる?わたし来た時、鳴美いたよね?
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鳴美 | いないわよ。何言ってるの。ちょっと大丈夫、失恋の後遺症じゃないの?これ以上、病気抱え込んだら、どこいっても働けなくなるわよー。
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灯里 | そうね。
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鳴美 | そうねじゃないよ。(笑う)楽しみましょ。どっかに良い薬があるといいんだけどなぁ。(森村と目があう)
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森村 | え?なに?
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鳴美 | あれじゃ、毒にもならない。
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森村 | え?なに、土偶?土偶がどうしたの?
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鳴美 | ちょっとトイレ。(席をはずす)
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森村 | (鳴美に)ねえ、土偶がどうしたの?
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鳴美 | うるさい!(歩き去る)
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灯里 | (優しく)森村さん、大丈夫?何杯目ですか?
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森村 | (無言で手招きをしながら近付いて)灯里ちゃんさ、光見ると涙出るんでしょ?良い事思い付いたんだけどさ。
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灯里 | なんですか?
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森村 | サングラスかけたら?
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灯里 | (冷たく)ねえ、森村さん。そんな事試してないと思うの?
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| 鳴美、見知らぬ男、トウ馬を連れて来る。
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鳴美 | はい。薬、ゲット!
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灯里 | え?なに?
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鳴美 | ちょっと、森村さん、あっちいってて。(森村を引き離す)
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森村 | おいおい。(離れる)
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トウ馬 | どうも。
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灯里 | ども。(こそこそと)なに?薬って。
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鳴美 | (こそこそと)失恋の薬よ。
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灯里 | (こそこそと)どういう意味・・・
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鳴美 | (こそこそと)拾ったの。
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トウ馬 | (こそこそと)聞こえてますよ。
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鳴美 | (にっこり笑って)はい。ここ、座って。一杯、ごちそうするわよ。
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トウ馬 | じゃ、お言葉に甘えて。あ、僕、トウ馬です。
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灯里 | トウ馬・・・くん。
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トウ馬 | 呼び捨てで良いですよ。
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鳴美 | あたし、鳴美。この子、灯里。とってもかわいそうな子なの、薬になってあげて。
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トウ馬 | 薬?
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鳴美 | 病気なのよ。心の。失恋のショックで・・・
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灯里 | やめてよ。なんでもないのよ。
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鳴美 | なんでもなくないのよ。記憶が混乱気味で・・・。本ッ当にかわいそうな子なの。
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トウ馬 | へえ。
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灯里 | 違うの。本当に。違うのよ。
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トウ馬 | でも。気をつけて、ストレスは脳に悪影響を与えるから。言いたい事言わなかったりすると、前頭葉 の抑えがきかなくなって、視床下部 が暴走するよ。
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鳴美 | ・・・?なにそれ。
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トウ馬 | 脳だよ。脳。ストレスを感じるとさ、ふくじんひしつしげき副腎皮質刺激ホルモン が出過ぎちゃうんだ。コルチゾールなんか濃度が高くなって、海馬 に受容されちゃうだろ?そうすると、神経細胞がどんどん脱落して記憶障害が起こるんだよ。
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鳴美 | (自分が驚いて)ホントなの?いやだ、あたし大丈夫かしら?
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トウ馬 | ストレス・・・ある?
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鳴美 | あら、ご挨拶ね。
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トウ馬 | ほめてるんだよ。
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灯里 | 詳しいのね。
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トウ馬 | 勉強してるからね。
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灯里 | 将来は、神経生物学者?それとも脳外科医?
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トウ馬 | 将来って何?
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鳴美 | ちょっと訳わかんない会話しないでよ。
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灯里 | とにかく、安心して、別に失恋の後遺症なんてないんだから。さて(時計を見る)あ!(鳴美に)ちょっと、どうして教えてくれないのよ。
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鳴美 | 何が?
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灯里 | 4時じゃない。帰るまでに日が出ちゃうわ。
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鳴美 | いいじゃない。あ・・・よくないか?
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灯里 | もう!
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トウ馬 | え?どしたの?
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鳴美 | この子ね。日が出てると外に出られないのよ。
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トウ馬 | え?何、君レビヤタン ?
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鳴美 | なになに?レビヤタンって。
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灯里 | えっと、確か、旧約聖書に出て来る怪物。ヨブ記第3章の8。
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トウ馬 | そうそう。
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灯里 | そうか、「日を呪うもの」って書かれてる(笑う)。
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鳴美 | すっごい、灯里、聖書なんて読むの。
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灯里 | いや、別に、読まないけど。なんか知ってるわ。
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トウ馬 | で、レビヤタンなの、それとも吸血鬼?
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鳴美 | 泣くのよ。
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灯里 | 泣かないわよ。太陽を見ると涙が出るだけ。
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トウ馬 | ふーん。要するに光に弱いわけだ。
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灯里 | 太陽のね。
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トウ馬 | 家近いの?
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灯里 | 歩くと30分はかかる。
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鳴美 | その間に、日の出。
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トウ馬 | (席を立って)車なら間に合うね。送るよ。
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灯里 | え?でも。
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| 鳴美、ひじで突く。
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トウ馬 | (それを見ていて)送るだけだよ。
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灯里 | そんな。疑ってないわ。
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トウ馬 | 急ごう。
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灯里 | 助かる。ありがとう。
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| 2人出ていく。一昭はその様子をじっと見ているだけだ。鳴美、一昭に近付く。
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鳴美 | (一昭に)あんたにも薬になった?
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一昭 | ・・・・。 |
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SCENE 6 | バー“ムーニン” |
| 灯里と鳴美の会話。
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鳴美 | (感心するように)そう、それで、感動しちゃったんだ。
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灯里 | そうよ。悪い?だって言われた事なかったもの。涙が綺麗だなんて。むしろ・・・
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鳴美 | それで、ぐらりと来ってわけだ。で、どうだった?薬の味は?
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灯里 | やだ。何もしてないわよ。
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鳴美 | え?うそ?ぐらりと来たのに?
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灯里 | そんな事言ってないでしょ。感動したって言っただけ。
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鳴美 | (顔を背けて)つまらん。
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灯里 | でも、そのあとデートした。
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鳴美 | (乗り出して)なに?
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灯里 | デートの誘われたの。でも断ったのよ。だって、ほら、目が。いくら奇麗だって、涙流しながら歩く訳にいかないし・・・。
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鳴美 | (顔を背けて)じゃ、無理じゃん。
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灯里 | それが!
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鳴美 | (乗り出して)何?
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灯里 | これ!
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鳴美 | サングラスはさんざん、試したー。
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灯里 | いやいや、鳴美さん。これ違うの!これ、すごい。平気なのよ!
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鳴美 | うそー。欲しいー。
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灯里 | 必要ないだろ?
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鳴美 | 嘘なんでしょ?
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灯里 | だから、本当だっての。
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鳴美 | 誰が作ったのよ。
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灯里 | 知らないよ。トウ馬がくれたの。「光をうまい具合にするサングラスなんだ」って。
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鳴美 | 「うまい具合にする」?随分、素敵な説明ね。なんか変な子よね。
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灯里 | あなたが連れて来たんじゃない?
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鳴美 | 嘘?あたしが?
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灯里 | ちょっと、やだ?酔っぱらってたんじゃないの??
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鳴美 | とにかく、大丈夫なの?それ?
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灯里 | ・・・大丈夫よ。私、太陽から解放されたのよ。分かる?それがなんで、せめられなきゃなんないのよ?
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鳴美 | せめてないでしょ。
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灯里 | とにかく・・・トウ馬はね、とても不思議な人なのよ。なんか、うん。
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| トウ馬の部屋、トウ馬。ドアを開け帰宅する。
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トウ馬 | ただいま、JB、あのサングラス、喜んでたよ。
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| 奥で、赤いライトが点滅する。
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| 対話のシーンは、灯里と一昭になる。
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一昭 | それって、不思議な人で、済むのか?
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灯里 | いいじゃない?不思議で。
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一昭 | 出身地も、親がどこにいるのかも、分からない。そんな、話を濁したような事を言うんだろ?
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灯里 | だから、いいじゃない?今度聞くわよ。
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一昭 | だから、聞いたら、そう答えたんだろ?その質問、良く分からないよって。
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灯里 | ちゃんと聞くわよ。
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一昭 | (溜め息を付いて、落ち着いて)別に、嫉妬してるわけじゃないんだ。
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灯里 | してるじゃない?
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一昭 | 心配!(照れて)・・・してるんだ。
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灯里 | (おざなりに)そう、ありがと。
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一昭 | (ムっとするが、そのまま続ける)俺、おまえと付き合ってる頃、その病気をなんとかしようと思って、いろいろ調べたんだ。でも、なんにも解決できなかった。だから・・・(別れる事になったんだと一昭は考えている)
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灯里 | それは、感謝してる。
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一昭 | そしたら、何?変なサングラスで、大丈夫になったっていうだろ?俺もサングラスいっぱい買ったけど・・・だめだったじゃないか。
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灯里 | だから、それは、感謝してる。
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一昭 | 感謝とか、そういうことじゃなくて。
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灯里 | 何?
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一昭 | いいか?大学病院の眼科の先生だってさじを投げたような病気なんだぜ。いままで、この病気に通用するサングラスなんて無かっただろ?
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灯里 | だから、どうしろっていうの?トウ馬にもらった、この、サングラスを捨てろっていうの?ねえ?
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一昭 | いや・・・
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灯里 | そういう事でしょ?やっと、やっと解放されたのよ!何十年も明るい世界に出られなかったのよ。(嫌味っぽく)出ても嫌な思いをするだけだから!だから、別れたんじゃないの!私が泣く。私が歩けなくなる。一昭が周りから変な目で見られる。一昭は責められているような気になる。厄介な病気だ。俺は、病気と付き合ってるんじゃない!別れよう。
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一昭 | 一方的に俺から別れたみたいに言うなよ!
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灯里 | だって!
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一昭 | ・・・ごめん。たださ、もしかしたら、危険っていうか、なにか、副作用みたいな物があるかもしれないじゃないか。正体がはっきりするまでは、迂闊に使わない方がいいんじゃないかって、思ったんだ。それに。怒らないで聞いて欲しいんだ。
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灯里 | (怒って)怒ってないわよ。
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一昭 | (一応の返事で)そうだね。・・・・えっとー、そう、何十年も明るい世界に出られなかったって言っただろ?でもトウ馬は、突然、ここに現れて、灯里と会った。それで、灯里の病気にぴったりあったサングラスを持っているなんて、出来過ぎてないかな?
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灯里 | いいじゃない。あたし、デキスギ君好きよ。
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一昭 | 関係ないだろ?
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灯里 | ないわよ。じゃ、どういう意味よ?
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一昭 | ですからね。君が、例えば、咽が痛いーって時に、あ、喉飴、なめます?ってのとは違うだろ?君のは奇病なんだよ。奇妙な病気?
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灯里 | 奇妙ッて言わないでよ。
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一昭 | 奇抜?
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灯里 | いい!分かった。一昭の言うことも一理ある。一理あります。だから、こうしましょう。ようするに、このサングラスについてトウ馬にちゃんと聞いてみれば良いんでしょ。あと、出身地と、何?親がどこにいるか?聞いたら、報告するので!
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| 灯里、立ち去る。 |
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