■第9場

場面NO.曲名歌う役time更新日
第9場S大公のファンファーレ器楽
M20謁見の歌ファーデン、(女声)7;58
M21星空のブルース(reprise)レプゴー、プワスキ4;147/18


歌詞と曲解説

 下記の音源や楽譜再生は記譜ソフトで書いた楽譜をソフトウェア音源で再生しているだけで、参考程度の伴奏(主にピアノ、少しづつオーケストラ版にしています)のみで、メロディも歌ではなく楽器に弾かせてます。役によって楽器を変えてはいますが、音楽としてはかなり簡易なバージョンです。もしお聴きになる場合は、是非、想像力を働かせてお聴きください。

M20 《謁見の歌》 ファーデン、女声

【歌詞】
ファーデン:
大公を刺した赤いナイフが
大勢の人を救うことになる
一人を殺すこのナイフで解決
馬鹿げた戦いで多くが傷つくのなら
殺すのは一人それが正しい選択

大公「ファーデン。調子にのるな」

ファーデン:
善悪など作られた錯覚なのに
戦争の目的は利益だけなのに
正義や神様など戦争にはいらないのに

愛国心、信念、名誉に大義
愚か者のくだらない妄想です
利益を管理すれば戦争など始まらない

馬鹿な感情で戦争を始めたら
人々は疲れ 国は軋み 倒れる

国の未来?それは違う あなたの未来でしょ?
あなたが滅びたって国も人民も滅びない
金貨を百枚あなたのために
国民の金であなたを助けるのですか?
それがあなたの正義、信念でしたか(嘲笑う)

(レプゴーに)ご存知ですか あなたの村は
大公が妄想の女たちと
きちがいのように戯れている間に
血生臭く惨い戦場となった事を
そしてその事は決して許せないはず  あなたは

(以下、間奏中に台詞)
(ファーデンが手袋をしまい《謁見の歌》一旦終わる)

ファーデン:
こんな時ですな 神様を信じたくなる
先程からどこか見覚えのある顔
スラ スラ
私を覚えていないのか
自由を求めて逃げた 自由の終着点に
自由を失うために 自ら戻ってきたか
悲しい事だなスラ 仲間だったらと言ったが
確かに仲間じゃないな これは人間ではない

(以下、間奏中に台詞)

女声:正義のため 名誉のため 神様のため
   復讐のため 恐怖のため 恨みのために
   戦う感情が戦争を腐らせる

ファーデン:
そんな戦いがこのまま続くのなら
国々は滅び 人々は殺し合って
残るのは肥り続けた正義

戦争はロボットにやらせろ
戦争はロボットにまかせろ
この国はロボットにまかせろ
この世界はロボットにまかせておけ!


(ピアノ伴奏)
■再生マークをクリックするとデモ音源再生(mp3)。こちらが常に最新版。

■この音源では、ファーデンの歌唱部分は「クラリネット」、女声は「女声コーラス」の音色で置き換えています。

【解説】
 レプゴーは偶然手に入れた重要な文書で大公から金を巻き上げようとするが、ファーデンはナイフで大公を刺す。そして、ファーデンの最大の見せ場となる曲を歌いだす。
 特徴的な増4度の伴奏で、これまで《二つの影の対話》で小出しにされたメロディが歌われる。《博士の愉快な研究》のフレーズが見られることで、ファーデンの正体も暗示される。
「金貨を百枚あなたのために」のフレーズが《二つの影の対話》と《はしごの鎮魂歌》をつなぐ。
 レプゴーに村の惨状を伝える場面は重々しい伴奏。その後台詞が続き、曲は一旦止まる。
 レプゴーの連れてきた従者アイヒロットが、スラであることに気づいたファーデンは《二つの影の対話》の音型で不気味にスラを呼ぶ。さらに《最終テスト》のフレーズでスラを追いつめる。
 間奏中の台詞を経て、女声が歌い始め、人間は愚かで正義や信念、名誉や宗教、恐怖や復讐のために戦争を繰り返す。いっそう戦争の経営はロボットに任せた方が良い、この国も世界もロボットに任せろと不気味なロボット讃歌を歌う。

M21 《星空のブルース(reprise)》 レプゴー、プワスキ

【歌詞】
レプゴー:
なんでも見たいように見ている
なんでも信じたいように見てる
虹色の牢獄も糞にまみれた宮殿も
好きな歌歌って笑っているよ

なんでも歌いたいように歌え
なんでも信じたいように歌え
血まみれの歌劇場 純金製の屠殺場
好きな歌歌って笑っていろよ

月の影と影とを重ねて
女の子に見えるだの 井戸だの
猿だの怪物だの川だのまっぴらさ
マロニエの枯れ木だけ 国境も瓦礫だけ

アイヒロット「レプゴーさん?」
レプゴー(ぎりぎりまで迷うが、その手を取らず、
     アイヒロットに背を向ける)
「こんな馬鹿げた場所に来たのが間違いだった。じゃあな。」
(アイヒロットを置いて出て行こうとする)
アイヒロット「レプゴーさん?」
(プワスキが登場し、退場しようとしたレプゴーにぶつかる。)
レプゴー(驚いて)「プワスキ」
プワスキ「レプゴーさん、今度はアイヒロットも
     置き去りにするんですか」

レプゴー:
善良でも真面目でもないこの身に
(プワスキから少しづつ離れるレプゴー)
(プワスキの手には血塗られたナイフ、レプゴーの腹部から血)

レプゴー:慈悲深い神様が手を差し伸べた

アイヒロット「レプゴーさん!」

プワスキ:
獣から 盗賊から あなたの盾になり、
ナイフからでも 必ず守る守る守る・・・

レプゴー「お母様が持たせてくれたナイフだな。
     私の身を守るようにと」

レプゴー:
マロニエの枯れ木から
行きつくのは、どんな世界?


(ピアノ伴奏)
■再生マークをクリックするとデモ音源再生(mp3)。こちらが常に最新版。


*楽譜の全画面表示がうまくいかない場合は、「YouTube」(YouTune.comで視聴する)をクリックして、YouTubeから全画面表示を選んでください。
■この音源では、レプゴーの歌唱部分は「アルトサックス」、プワスキは「トランペット」の音色で置き換えています。

【解説】
 ファーデン自身も知らなかった彼の正体と、大公が話しかけていた妄想の女たちの真実を知ったファーデンは自失し、そんな茶番劇にあきれたレプゴーが歌うブルース。
 途中《娘からの手紙》のフレーズがブルースで現れ、アイヒロットも見捨ててこの場から逃走しようとしたところ、プワスキに刺されてしまう(ここで《二人旅のマーチ》のフレーズで音楽が止まる)。プワスキに刺されたレプゴーは《娘からの手紙》のフレーズをブルースに乗せて「慈悲深い神様が手を差し伸べた」と歌う。プワスキはレプゴーを刺しながら、守るはずだったと《ついていく》の歌詞で嘆き歌う。レプゴーは「マロニエの枯れ木から行きつくのは、どんな世界?」と歌い絶命する。