用語集 | |
この作品の舞台は、「21世紀初頭。ややエクストリームに発展した近未来。世界第一都市としては、十年程前に見放された某都市。」と言う事で、荒廃したニューヨークのような街がイメージされています。その未来の別世界の世界観を作るため様々な人・物・文化がなど真偽を問わず援用、また創作し、脚本にちりばめました。この作品から、脚注が多用されるようになりましたが、実際、観客にその言葉の意味が届かなくても問題がない範囲においての事です。ただ、せっかく作り上げた物なので、パンフレットなどで紹介をさせていただきました。その一部をご紹介します。 | |
灌仏会(かんぶつえ) | |
四月八日の釈迦の誕生日に行われる仏事。一般に東南アジアなど仏教国で行われるものだが、近年では、アメリカを中心に春のイベントとして人気が高い。ニューヨークの老舗デパート、メイシーズでは、2004年から、歳末のクリスマスバーゲンと並んで、カンブツエバーゲンを行い人気を博している。 | |
兄弟保有者 | |
出生率の低下と共に一子家庭が漸増するにしたがい、兄弟保有の特殊なステータス化が一般化した。特に、2003年にウィスコンシン脳医学研究所が兄弟保有者の社会適合能力を臨床的に証明してから拍車がかかった。政府は早くからこの研究に取り組んでおり、従って一人っ子の大統領は存在しない。(第42代クリントン大統領に至っては、就任直後に生き別れと称して兄弟を登場させた)他に政治家や裁判官、教育者などの高い良識を必要とされる職業は兄弟保有者が向いているとされている。 | |
グーフィー | |
タイム誌の「20世紀最も影響力を発揮したアメリカ犬25匹」にノミネートされた名犬。その友人はご存じのように「20世紀最も影響力を発揮したアメリカ鼠25匹」に文句なしの一位入賞を果たしている。 | |
サダム・コーヒー | |
対アメリカの旗印とも言うべきヒゲのマークでお馴染みのイラク製コーヒー。政府は一時その輸入を規制したが、現在は、スターバックスと並ぶシェアを誇る。 | |
ジャーナリスト | |
報道に携わる職業の最高地位に与えられる名称。以下、キャスター、アナウンサー、レポーターの順に位が低くなる。 | |
スカイウォッカ | |
コバルトブルーの瓶と二日酔いがないという特徴を持つ合成酒。特に後者は4段階の蒸溜方式によって達成され、若者の間で広く受け入れられている。 | |
スペシャルK | |
ケタミン(ケタミン・ヒドロクロライト)の改良版。1981年以来、科学者ジョン・リリーによって擁護されてきた分離性物質。筋肉注射が効果的だが、2001年、口や鼻から吸入し、倦怠感を極力押さえたセールス・ドラッグとして改良された。 | |
セカンド・レイプ | |
レイプ被害にあった女性が、裁判の席などで、多くの人を前にその体験を詳細に語らせられることによって起こる心的障害。セカンデ・レイプは多くのレイプ被害者が結局、訴訟を起こさず泣き寝入りをする主たる原因である。 | |
ゼリー・カクテル | |
誰でも手軽に作れるという触れ込みで誕生し、爆発的なヒットとなったゼリータイプのカクテル。パックの中身に牛乳を足して混ぜるだけ。味は、ストロベリー、オレンジ、キウイなど様々。 | |
トバルカイン | |
都市ネットN局のディナー・ニュースCMを挟まない独自の形式と、視聴者に媚びないプログラムづくりで人気が高い。 | |
ニコチン・パッチ | |
1991年に発売され、一時話題をよんだが、副作用や類似品の台頭で消滅したかに見えた。1998年にニューズ・ウィーク誌が、この商品の莫大な在庫を抱えた製薬会社の社員の喫煙率が40%近く減少したというリポートを発表した事から、一気に需要が高まり、2000年代にはどの家庭にもある日用医薬品の仲間入りを果たした。製品は上腕部に貼付することで、ニコチン中毒の発作を和らげる。 | |
ニューホーム・シック | |
「新居病」と訳される環境不適応性精神疾患。 | |
バイオロジカリー・コレクト | |
「生物学的に正しい」という意味。近年、知識人たちの間で頻繁に使われるクリシェ。 | |
バーコード認証 | |
2002年から、ニュースプリング刑務所で、受刑者の犯歴などを集積したバーコード・タトゥーが使用され、全国的にひろまった。最もスキャンしやすい場所として手のひらに刻印されたが、人道的な理由ではなく、スティグマ現象をイメージさせるとの理由からキリスト教系団体からは、非難の声が相次いだ。 | |
バック・ホテル | |
ホテルチチェーンの老舗ザビエラ社が、全国的に展開した、セックスを目的とした宿泊ホテルの総称。最近では、ザビエラ社以外の類似のホテルもそう呼ばれるようになった。 | |
ロウアー・サークル | |
ブロックDの最も貧しく、アーティスティックな街区。かつてネオ・トライベッカと呼ばれ、若い芸術家たちが集まっていた。 | |
CC | |
シチズン・コップの略。都市部などの一部地域で制度化された自警団のような組織。 | |
DMT | |
ジメチルトリプタミンの事。シロシビン系のトリプタミン幻覚剤。強烈な効きめをもち、作用期間が短い事から「ビジネスマンのトリップ」として知られていた。 | |
E−キャッシュ | |
いわゆる電子マネーの事。 | |
TETSUKO's ROOM | |
極東の島国ニッポンで生まれた長寿番組。1998年ディスカバリー・チャンネルがこれを放送したところ、カルトジャンルでは、稀なスリーパーヒットとなった。異常なまでに訪問客の多いニッポンのある女性の家を舞台にしたドキュメンタリー。 | |
PASE | |
ペーズ。「Program of Acquired Siblings Education」の略。政府が極秘に進めてきた、兄弟保有時における幼少時の環境を再現する教育的プログラム。両親の違う二人の子供を、専門の施設で出生時から兄弟として育てる事により、兄弟保有者に近い人格と社会性を身に付けさせる。これによって生まれた多くの「義兄弟」の中には、政府要職に就いた者も多い。 | |