登場人物 | |
この作品は、平安末期の鎌倉(『BOEING370』では1689年の江戸)、現在のアメリカ東海岸、江ノ島、インド、そして2055年のジュネーブまで、とにかく時と場所が激しく交錯します。登場人物も多数登場しますが、なんと初演時は3人の俳優だけでこの物語を演じました。 | |
ヘイウッド・フロイド博士 | |
ノーベル賞物理学者。量子力学の権威。研究所でワームホーラーの実験をしている所エムオーに人質に取られ、結果ニコラスに射殺される。『BOEING 370』ではアレクサンダー・ブリブという老齢の科学者だったが、その後、若き天才科学者で、名前もヘイウッド・フロイド博士になっている。この名前は『2001年宇宙の旅』からの引用。 | |
マックス | |
博士の研究所(ニュージャージー州のケープ・メイ州立総合物理学研究所)の警備員。結婚を控えていたが、博士をかばってニコラスに殺されてしまう。『BOEING 370 remix』以降に登場。 | |
エムオー(スミス・ヘンダーソン) | |
ハイジャックに失敗し、投獄されるが、奇妙な皮膚病におかされ、脱獄、研究所に立て籠るが、姿を消す。本編の主人公と言える役柄。 | |
デイナ | |
エムオーの仲間の女性。エムオーを深く想っており、刑務所で彼の容態が悪化すると脱獄計画を指導。一緒にケープ・メイ州立総合物理学研究所まで逃げる。『BOEING 370 remix』以降に登場するキャラで、エムオーのパートナーとして重要な位置にある。 | |
ニコラス | |
作品中では名前は登場しない。刑事を装って研究所に来るが、実はUSAMRIID(米陸軍伝染病医学研究所)の軍人で、「封じ込め」と称しエムオーや博士までも殺そうとする。エムオーには逃げられてしまうが、博士を殺害し研究所を燃やす。 | |
天田光三郎 | |
日本の考古学者。某大学の教授。江ノ島でピラミッドを発掘し有名になるが、奇妙な皮膚病に感染しノイローゼになり、インドを訪れるがガンジス川で溺死。 | |
トリオ(鳥雄) | |
エムオーたちのハイジャック現場に居合わせ、さらにインドへ行く天田とも同じ機に搭乗した謎の少年。結局、天田からエムオーへイエロデザーターを媒介するのだが、飛行機内以外で彼を見た物はいない。 | |
源さん | |
1689年頃、江戸に住んでいた初老の男。「鬼」を匿って暮らしているが、やがてミイラ病にかかり死亡する。源さんは鬼からイエロデザーターをうつされミイラ病に罹った。伝説では鬼はピラミッドを造り彼を葬ったという。『BOEING 370 remix』以降は彼の役割が籐子姫に引き継がれる。 | |
籐子姫 | |
平安末期に鎌倉に住んでいた武将の娘。好奇心の強い少女だが、不治の病に犯されている。庭に現れた「鬼」を匿っており、徐々に鬼との間に情が芽生える。「鬼」が出ていこうとした時、自分も連れていって欲しいと嘆願する。籐子は「鬼」と逃げるがすぐに追っ手がかかる。結局片瀬海岸まで辿り着き、目の前に現れた三角山(ピラミッド)に足を進める。 | |
鬼 | |
黄色い鬼。『BOEING 370』では源さんに匿われ、彼の為にピラミッドを作り、天田によって霞ヶ浦で発掘される。『BOEING 370 remix』以降は籐子姫に匿われている。籐子を連れて逃げた先の江ノ島をピラミッドと思い、その地で絶命した。 | |
ターナー | |
未来からやってきた調査員。イエロデザーターの謎を追っている。 | |
エリアス | |
ターナーの助手。イエロデザーターの謎を追っている。 | |
サラ | |
ターナーの妹、イエロデザーター感染初期。登場しない。 | |
八 | |
『BOEING 370』にのみ登場する。源さんの風呂仲間の中年男。 | |
おりお | |
『BOEING 370』にのみ登場する。源さんの風呂仲間の若い衆。 | |
葉山 | |
『BOEING 370 remix』では籐子の護衛、見張りを勤める男。『BOEING』では女官。 | |
朝比奈 | |
『BOEING 370 remix』以降登場。籐子の身の周りの世話をする女官。 | |
ブラック | |
エムオーの仲間。頭が良いのでブレーン・ブラックと呼ばれていた。 | |
富士先生 | |
天田の大学での同僚。天田を嫌っているらしい。 | |
栗下先生 | |
天田の大学での同僚。天田の業績を評価している。 | |
こーちゃん | |
天田の悪夢に登場する少年時代の天田。遊園地で黄色い化け物に襲われる。 | |
天田の父(母)親 | |
天田の夢に登場する彼の父(母)親。彼が化け物に襲われるのを黙認している節がある。また幼い天田に『鬼と籐子姫』の伝説を読み聞かせ、天田が考古学者になることを決定付けた。 | |
ドンチャック | |
天田の悪夢に登場する黄色い化け物。遊園地や森で彼を襲うという。ドンチャックは後楽園遊園地のマスコットだが、その後楽園遊園地もなくなったため『BOEING』では、蜂蜜の入った壷を持った黄色い化け物「プーさん」になった。 | |
内所 | |
ウチドコロと読む。悪夢に悩まされた天田が悩まされて訪れる精神科医。インドの皮膚病治療の権威ラマ・チャイチャイを紹介する。 | |
夢見がちな少女アリス | |
夢見がちというか、他人の夢を見る能力のある少女。内所の患者だが、内所は彼女をカウンセリングに使っている。 | |
ラマ・チャイチャイ | |
インドの皮膚治療の権威。 | |
ラマ・チャイチャイの患者 | |
とても無口なラマ・チャイチャイの患者。 | |
三茶に住んでたインド人 | |
インドで天田をラマ・チャイチャイの所に案内するインド人。昔三軒茶屋に住んでいたらしく親日家。 | |
地図 | |
世界地図 | |
この世界地図は、『BOEING370』の世界で起きた様々な出来事を示しています。世界を股にかけた物語なんだという事を、強調するための作為的な図です(笑)。 | |
アメリカ東部大西洋岸の地図 | |
エムオーとデイナのシークエンスですが、彼らはカイロ行きインディアナ航空370便でハイジャックを決行するが失敗し収監。エムオーが発病すると、メリ−ランド州アメリカ陸軍フォート・デトリック基地内にある米陸軍伝染病医学研究所に収容されます。ここを脱走しニュージャージー州のケープ・メイ州立総合物理学研究所に逃げ込み、フロイド博士の装置によって、デイナは研究所の側のケープ・ヘンローペンに転送され、エムオーは行方不明となります。 | |
鎌倉周辺の地図 | |
籐子と鬼のシークエンスでは、鬼は、鎌倉、扇ヶ谷の籐子の住まいに現れ籐子に保護される。やがて籐子がイエロデザーターに感染するが、彼女は政略結婚を嫌い、鬼と共に家を出る。追われながら片瀬海岸に辿り着き江ノ島に倒れる、という形になります。前作ではピラミッドは霞ヶ浦に発見されるのですが、今回は江ノ島自体が一つのピラミッドという大胆な設定に変えました。そのため、籐子と鬼のシークエンスでの鎌倉から江ノ島に至る情景を得るため、鎌倉に何度か足を運びました(こういう作業こそ楽しい物なのです!)。江ノ電の車窓から実際夕陽に輝く江ノ島が見えた時に、「これはピラミッドでいける!」と。 | |